翡翠の姫君


すると、ガクが呟いた。




「…そういえば」



「んー?」




「レオ殿下の…」



バサバサーッッッ




「………何やってんだおまえ。」




「ててて手が!!!手が滑った!!!」



あははと笑って誤魔化す。



レオの名前を聞くだけで異様に反応してしまうっ…!!




落としたカルテを拾いながら、冷静を装って話す。



「…で?レオがどうしたって?」



「…たいしたことじゃないけど。
なんでおまえ、レオ殿下の事呼び捨てなんかなって。」



「…へ?」



いきなりそんな事を聞かれて唖然とする。




「…友達だし?」




「友達っつったって、一応はこの国の王子だぞ?」





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