翡翠の姫君
レオは私の腕を掴んだまま、その場にしゃがみこんだ。
しばらく無言が続く。
森には2人の荒い呼吸の音だけが響き渡る。
しばらくして
だいぶ落ち着いた時、レオが口を開いた。
「やっぱり、森は夜の方が綺麗だな…」
しゃがみこんだまま、空を見上げて呟く。
「また、みんなで飯でも食うか。
今度はガクも誘わないとなぁ。」
空を仰いだまま、笑って話すレオ。
―あぁ。
もう…止まらない。
「…レオ…」
気づいてしまった想い。
たとえ、一般人と一国の王子だとしても。
こんなにも大切な人。
かけがえのない人に
ちゃんと伝えたい。
「…好き…」
溢れ出す涙を拭いながら呟いた。