翡翠の姫君



「何も言わずに…どこへ言ってたんだい?」



その声に、体が震える。



「あっ………その………っ」


思うように、声が出ない。




「やっぱり痛い目みないと…わからないのかねぇ。」




やっと見えたその顔は、感情もない、冷たい表情。



怖い。




初めてそう感じた。





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