翡翠の姫君


「さてと…」


腰にあった剣を向こうのベンチに立て掛けて、エミリアが眠る前にしゃがんだ。


長袖の隙間から見える
今にも折れてしまいそうな細い手首。



本当に…何があったんだろうか。





「言えないのか…?エミリア…」



そう呟いて、そっとエミリアの頬に触れた。




柔らかい、翡翠の髪が風になびいてる。





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