翡翠の姫君



――――――――――

―――――


エミリアが帰った後も俺は考えていた。





「さてと。エミリアも帰った事だし、俺らも帰るかー」



そう言いながら歩き出すセルト。
その後ろを着いていくティナ。




俺は動けなかった。


今、本当にこのまま帰っていいんだろうか。



そんな考えが頭をよぎる。



座っているベンチから立ち上がろうともしない俺に気づいたのか



「レオ?」




ティナが、不思議そうに俺の名前を呼んだ。



―その時



"レオ"





声が


聞こえた。






< 62 / 201 >

この作品をシェア

pagetop