翡翠の姫君
―…いや、
聞こえた気が…した。
エミリアが…
エミリアが俺の名前を
呼んでいる気が。
そう思った瞬間、立ち上がり、立て掛けておいた剣を握った。
「セルト、ティナ。悪い。
…ちょっと行ってくる」
そう言い、俺は走り出していた。
「はっ!?おい!!!!レオ!!!!??」
焦っているセルトの声も無視をして、俺は只ひたすらに森を抜けた。
やっぱり…
俺たちの出会いは
ただの偶然なんかじゃ
なかったんだ。