翡翠の姫君




「……………ない…」


小さな…声が出た。


「なんだって?」


あの人は恐ろしい表情で私を見下ろす。



もう何も怖くない。


「城には…いかない…」


そう言って、顔を上げた。



あの人は一瞬、目を見開いたかと思うと


「生意気な口をっ……!!!!」


そう叫んで、テーブルの上に置いてあったナイフを手に取った。







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