翡翠の姫君
「…………10日か…」
そう、10日。
10日も…
エミリアに会ってない。
雨や俺の仕事のせいでもあるが、ほとんどはエミリアの勉強のため。
この国に来てすぐ、「看護師になりたい」とは聞いていた。
はじめはビックリしたが、事情を聞いて納得した。
エミリアなら、立派な看護師になれるだろう。
…そう実感したんだ。
それで、資格を取るために勉強しているのは知っていたが…
まさかこの城にそんな試験があるだなんて知らなかった。
しかも、資格を取れる上に
城専属の看護師になるだなんて…
医務室に行って話を聞けば
ティナの言っていた通り、城に看護師が足りないらしくて新しい看護師を募集しているとか。
なんで今まで知らなかったんだろうか…