もし、会えたなら

『!?ゆみ先輩じゃ
ないんですか!?』

思わず椅子から
飛び立つ、あたし。

「癒実可愛いから
からかってた‥ごめん!!
さとえって言うの本当は!!」

と、舌を出すさとえ先輩。

「ほら、赤外線!!」

すでに用意されている
渡瀬先輩の携帯と
あわただしく通信しはじめた
あたしの携帯。

「俺はバイパスか!」

とか言って笑いながら
全部、渡瀬先輩は
送ってくれた。

笑うと幼くみえる渡瀬先輩に
なぜか心は弾んだ。


まさか‥今日
会ったばかりだし
彼氏いるし。

「癒実ちゃんさ
学校で何て呼ばれてる!?」

興味津々の羽山先輩。

『マリモでした!!』

「マリモ!?」

びっくりしている成田先輩。

『天然=天然記念物=マリモ
らしいですよ。』

苦笑いのあたしに

「なるほど!」

の一言の渡瀬先輩。

< 19 / 105 >

この作品をシェア

pagetop