もし、会えたなら

ちょっと歩く間に
先輩は色々話してくれた。

今度の大会は
私立の中学とやる
とか
羽山先輩のこととか。

その間
ずっと、あたしは
頷くしかしなかった。

別に、話しが
嫌だとかじゃ‥なくって。

できなかった。

なんだか
照れくさいというか。

前にもあったよ。
数年前。

だけど気づかないふりを
していたい。


もう傷つくのは嫌なんだ。



ガラガラッ

「よすっ
おみやげだぞ、馬鹿達。」

一斉に群がる先輩達。
ああなるとハイエナみたい‥。

『ただいまです!!』

「おっ!癒実っ!
渡瀬に変なことされなかった?」

ニヤニヤ笑う愛先輩。

「こらこらこら、岸田。
人を変態よばわりすんな!」

頭をゴチンと叩く渡瀬先輩と
ふくれっつらな愛先輩。

『されませんでした~っ!!』

「なら良かった!」

と、頷く成田先輩。
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