もし､会えたなら

ｷﾞｭｯと携帯を握り締め、
この世で一番、幸せ者
というような顔で

『いってきまーす!』

といって、初夏の
残暑の中へ飛び出した。

《これから、学校なんで!
先輩も頑張ってください!》


もちろん
考えてるよ。
龍馬のこと…。
こんなに迷ってるまま
付き合ってるなんて
龍馬にも失礼だ。
もっと傷つける。
浮気よりｷｯﾊﾟﾘ言って
終わらした方が
けじめもあるし、
何十倍も龍馬に対して
誠意はあると思った。

いや、もちろん
気持ちの浮気してる
時点で、誠意もなにも
語れる資格なんて
ないんだけどね。


傷つけないで
別れるために何か
言葉選ばなきゃなあ‥。