ソプラノ
陸
昼1時過ぎ。
俺は病室のベットで売店で買ったノートを手に、考えていた。
俺は涼に手紙を書こうとしていた。
―“手紙”って言っても、そう大した事じゃない。
“祭り、あるんだけど行けたりするか?”
という、短い文章だ。
この間、凛さんに聞いた。
涼は最近“風邪気味”なんだと。
「風邪がうつると大変だから、病室には行かないように」と注意深く言われたのを思い出す。
俺が直接会えないなら、凛さんに渡してもらえばいいと考えたのだ。
俺は凛さんを探しに病室を出た。
ちょうどカルテを先生に届けに行こうとしていた、凛さんを見つけた。
「凛さん」
俺は凛さんを呼び止め、「これ涼に渡しといて」と頼んだ。
凛さんは疑問に思ったのか、「何?」と俺に聞き返す。
「ん?手紙?」
「あぁ、手紙!了解!ちゃんと渡しておくわね」
凛さんはそう言いながら笑うと、パタパタと駆けていった。
―805号室
―ガラッ
「凛さん」
「涼ちゃん、弾くんから」
「え?私に?なんだろ・・・?」
「なんて書いてあったの?」
「お祭り・・・・・」
「え?」
「お祭りあるんだって。一緒に行けるかって」
「え?」
「あ、あぁそっかぁ!涼ちゃんはどうしたいの?」
「・・・行きたい」
「そっか、じゃあ、先生に聞いてみるわね」
「ありがとう」
「うん、じゃあ後でまた来るからね」
―私は不安を胸にしまい込み、涼ちゃんの病室を後にした。
俺は病室のベットで売店で買ったノートを手に、考えていた。
俺は涼に手紙を書こうとしていた。
―“手紙”って言っても、そう大した事じゃない。
“祭り、あるんだけど行けたりするか?”
という、短い文章だ。
この間、凛さんに聞いた。
涼は最近“風邪気味”なんだと。
「風邪がうつると大変だから、病室には行かないように」と注意深く言われたのを思い出す。
俺が直接会えないなら、凛さんに渡してもらえばいいと考えたのだ。
俺は凛さんを探しに病室を出た。
ちょうどカルテを先生に届けに行こうとしていた、凛さんを見つけた。
「凛さん」
俺は凛さんを呼び止め、「これ涼に渡しといて」と頼んだ。
凛さんは疑問に思ったのか、「何?」と俺に聞き返す。
「ん?手紙?」
「あぁ、手紙!了解!ちゃんと渡しておくわね」
凛さんはそう言いながら笑うと、パタパタと駆けていった。
―805号室
―ガラッ
「凛さん」
「涼ちゃん、弾くんから」
「え?私に?なんだろ・・・?」
「なんて書いてあったの?」
「お祭り・・・・・」
「え?」
「お祭りあるんだって。一緒に行けるかって」
「え?」
「あ、あぁそっかぁ!涼ちゃんはどうしたいの?」
「・・・行きたい」
「そっか、じゃあ、先生に聞いてみるわね」
「ありがとう」
「うん、じゃあ後でまた来るからね」
―私は不安を胸にしまい込み、涼ちゃんの病室を後にした。