ソプラノ
「ありがとうございました」








自動ドアを抜け、外で待っている陸に駆け寄る。






「おせぇ!まったく・・・このおれ様を待たせるとは!」








陸は「な~んてな」と笑うと、スクッと立ち上がった。








「ごめん、人にぶつかって」









「気をつけろよ~全く」










陸は「さっさと行こうぜ」とおれの先を歩き出した。










おれはジリジリと照りつける太陽の下、陸の後に続いて歩く。










「あっち~」








陸がTシャツの襟元をガバッと開く。








「まだ、暑くなりそうだね・・・」







おれは顔の汗を拭いながら歩いた。








「あ~クーラー効いた部屋に入りたい・・・」




おれがボソッとつぶやくと、





「おま・・・それ地球おんだ・・んか?を進めるような発言じゃん!」








「いいじゃん別に」







おれは陸の頭を叩く。






陸はおれに反撃しようと試みる・・・・が、それをおれはスルリとかわす。







「ちくしょー!背が高いからって調子に乗るなぁ!」





陸は必死になっておれに反撃しようと向かってくる。








「ねぇ、いいかげん暑苦しいよ」








おれは陸の手を払うと、「まだこんだけしか歩いてないし・・・」と、店から現在立っている場所を見た。






「は~暑いなあ・・・」








陸はガックシと肩を落とすと、日陰を探しながら歩く。















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