ソプラノ
―本当に暑い






頭焦げそう・・・ずっとこのままここに立ってたら、いつかは髪が焦げてはげないかなぁ?








なんて、馬鹿なこと考えながら、







ポケットに入っていたタオルを頭に被せ、長く、細く続く道を、「暑い~」と、声を洩らしながら陸と歩いた。























―あ、さっきぶつかった子だ。









私より先に出て行ったのに、まだあんなところ歩いてる。









何やら、友達と、楽しそうに話しながら歩いている。








「楽しそうだなぁ」







気が付くと、私はそう声に出して言っていた。










―本当に、楽しそう。










私はそんな2人の姿を見つめた。













「涼~?早くしなさい!」







お母さんが車の中から声をかける。









「あ、うん!」







私は笑顔を浮かべながら、2人に背を向け、車へと走った。












< 178 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop