ソプラノ
―仕方ねぇなぁ・・・・。





俺は渋々4人の後を追った。





「ったく・・・・早ぇし」





俺は文句を言いながら、4人の後を急ぐ。







「てゆーか、俺らその子の病室知らなくね?弾ーどこだ病室!」






陸が振り返り叫んだ。






「805」




俺は短く答え、「よっしゃ!」と陸が頷いた。






廊下を走っていく4人を後ろから見ながら





「走っちゃ駄目だろ・・・・」






とため息をついた。






―でも何故か、俺の足も涼の病室へと急いでいた。








―“涼に会いたい”という気持ちが、体の奥深くから湧き上がってくる。













「805!」




柚が、廊下の端で大きな声を上げる。







「おーっ!ここか。じゃあ、みなさんいいですか?いっせーのせ・・・・」
「待て」




俺は陸の言葉を遮ると、ドアの取っ手を掴んでいた俊介の手をどかせた。





「あのね、急に知らない奴等がいたら困るだろ?」





俺は4人に言い聞かせた。





・・・・まぁ、俺も急に行ったんだけどさ。








「あーそっか!悪い悪い!」





陸は頭を掻きながら笑った。






俺は苦笑いすると、病室のドアを開けた。







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