ソプラノ
俺は、笑いながら話している由希と涼の姿がとても楽しそうで、






幸せそうで、笑った。






「なぁなぁ、お前、涼ちゃんのこと好きだろっ」





いつのまにか俺の隣に立っていた陸が、小さな声で話しかけてきた。





「!!」




陸は俺のを焦った顔を見て、





「あは、やっぱ~?お前分かりやすいって!」




と、くっくっと喉を鳴らし笑う。






「てめ、何がおかしい・・・」






俺は陸の首に腕を回し絞める真似をした。






「ストーップ!待って待って!あれ?何か怒らせるような事言った?!」




陸は冷や汗をかきながら俺の腕を叩いた。





「そこの2人、気持ち悪~い・・・べたべたくっついて・・・ハッ!まさか・・・B  L?!」





柚が本当に気持ち悪そうに言う。






「・・・・・ちげぇし!何なんだよてめー!」
「俺が男好きに見えるか?」





陸と俺は、互いに顔を見合わせ、苦笑いした。










「BLってなんですか?」






ふいに涼が尋ねた。








「涼ちゃん・・・・!BLを知らないなんて!なんて平和な子なの?!」






由希が涙を拭く真似をする。





「はい、説明します、今回の役者はこちらっ!」



柚は俊介と陸を涼の前に立たせる。








「俊介・・・・・俺はお前を離さない!」
「俺もだ・・・陸ー!!」




2人はガシッと抱き合った。





涼の口はポカーンと開いている。





「はい、ありがとうございましたー!」



柚が言うと、2人は体を離し、



「世の中にはな、こーゆー人もおるんやで!」




と俊介が語った。





















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