ソプラノ
父さんが買ってきてくれたチーズケーキを食べ、腹がふくれたところで、二階にある自分の部屋へ向かった。




ベッドの上に置きっぱなしだった携帯を開くと、陸からメールが着ていた。






『5時30分大鳥居前集合!』





―5時30分か・・・・・。





今は2時だから、あと3時間半もある。












俺は龍をつれて、久々に近所を散歩することにした。











俺は柔らかく吹く風を体に感じ、目を閉じる。







風は、澄んだ空気と花の香りを連れて、俺の横を通り抜けていく。






近所の公園まで来た俺は、公園のベンチに腰を下ろした。







公園の前の道を、浴衣姿の女の人や、楽しそうに笑う家族達が神社の方に向かって歩いて行く。









―涼も浴衣着てくのかな。






俺は今日より、“早く祭りに行きたい”と思った日はなかった。



















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