ソプラノ
「無理なんかしてないって!もう大丈夫♪」





あたしは涼ちゃんに笑いかけると、





「ねぇ、涼ちゃん、弾、変わったと思うよ。涼ちゃんに会って、前よりもっと笑うよう になった・・・あ、それから馬鹿にもなったよ」




と、笑いながら言ってやった。





―馬鹿になったのは本当だもん。








「由希ちゃん・・・弾を好きになってごめんね」



「な~に謝ってるのっ!でも、これだけは守って?ちゃんと弾に“好き”って伝える  事!」




あたしは心からの笑顔で吐き出した。



涼ちゃんは「うん」と頷くとあたしの手を握った。




「下まで手、繫いで行こっか!」




あたし冷たい涼ちゃんの手を引っ張ると、石段を一段下りた。




「うん」



涼ちゃんは微笑むと、あたしの隣に立つ。





あたしの右手と涼ちゃんの左手は、硬く結ばれていた。









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