ソプラノ
“実は私、心臓病でね。あと3ヶ月持つかどうか・・・。病院じゃ、家族も友達もい  なかった。・・・だから、由希ちゃんと、柚ちゃんと、陸君と、俊介君と・・・弾に 会えて、本当に、本当に嬉しかったの。
 今日がすごく楽しかった・・・ありがとね”






涼の笑顔が、声が、涙が、あたしの心に突き刺さる。







「涼ちゃん・・・辛かったねぇっ・・・」





一向に止まらないあたしの涙。





あたしは泣きながら歩いた。








―空も泣いているように、どんよりとしていた。
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