ソプラノ
俺は、何故か涼が屋上に来る様な気がして、屋上にいた。








フェンスにもたれ、来るはずの無い涼を、ずっと、待っていた・・・。








「っ・・・・・」



―ガシャンッ!






俺は刻々と過ぎていく時間に苛立ちが増し、フェンスを思い切り殴った。





こんなことしたって、どうしようもないことは分かってる。







でも、




俺の隣に涼の姿がないことが当たり前のようになっていることが、嫌なんだよ。








「くそっ・・・・」






俺は空を見上げた。







白い雲が悠々と青い空に浮かんでいる。








―キイィッ・・・・・・







屋上のドアが開く音。







俺は“まさか”と思い、ドアに目を向けた。





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