ソプラノ
「涼・・・」








あたしは授業中、そう呟いた。








弾に告げられた言葉を思い出す。






―『明日、涼の手術日なんだ。時間、あったら午後2時に病院にみんなで来てくれないか?』―






「明日?」







あたしの心臓がビクンと跳ねた。








あたしはよく見えない視界で、黒板の英文を、ノートに書き写す。







前を向いていられず、俯いた。








白いノートには、黒い染みが、点々と散らばっていた。
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