忘れられない人
私が苦笑いしながらも、

『OKです。みちるも誘っておきますね♪』

と、メールを返した。

それからは、凌には花火の連絡がちゃんと決まったらメールしようと思っていたので、

何の変化もなく、毎日が会社と教習所の往復で終わっていた。

ある日曜日。

この日も、いつもどおりに上下長袖・長ズボンに着替え、技能講習を受けていた。

あれからだいぶ、バイクの運転の仕方もスムーズになり、今は普通に走れるくらいになっていた。

ただ、普通に走れるだけであって、今は8の字走行がうまくできずに、その練習から抜け出せないでいた。

どうしてもスピードが遅いため、車体がふらつくのだ。

ニーグリップが甘いのが原因だと、教官から指摘を受けた。

それと、前輪がうまく通ったかを確認しないと、不安なため、視線をあげることがなかなかできずにいた。

それも教官から、毎回のごとく、『遠くを見るように。』と、指摘されていた。
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