忘れられない人
「ふーん・・・。そうなんだ。あとさ、彼女とかっていないのかな?」

「いないと思ったけど?いそうな雰囲気に見える?藤咲は顔がいいからな。」

いない・・・との言葉に、私はすごく安堵する。

「だって、予定空いてないみたいなこと言ってたから・・・。」

「アイツ、忙しいんだよ。最近は土曜も仕事だって言ってたしなぁ。で、唯一の休みはツーリングに行ってるだろうな。」

ツーリングか・・・。

本当にバイクが好きなんだね。

私もバイクのこと、勉強しないと・・・。

私の悪い癖は、何にでも影響されやすいことだ。

特に、好きになった男の人が好きなことは、必然と私も好きになってしまう。

おかげで前にはスノーボードにはまったっけ。

でもそんな不純な動機ではまったものは、恋が冷めたと同時に、一切興味がなくなってしまう。

私は正に熱しやすく、冷めやすいので、そこは直したいと常日頃思っていた。

「ちなみに、佐田さんは彼女いるの?」

「・・・いるような、いないような・・・。」

と、言葉を濁す。

何?それ。

いるかいないかわからないみたいに言われるの、自分が彼女だったら嫌だな。
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