忘れられない人
「まぁ、今はオレのことはいいじゃん!これからの中野さんを応援するってことでさ。藤咲は、一筋縄ではいかないけど、うまくいったら幸せにしてくれるんじゃない?」

「そうなりたいけどさ・・・。飲み会、できそう?」

「それがさ、藤咲のヤツ、メールの返信おそくてさ・・・。仕事が忙しいせいもあってか、オレ抜きですれば?って言われる始末。」

「えーっっ!困るよ、それじゃあ・・・。」

「しかーし、ここが佐田くんの腕の見せ所!来週、出張があるんだって。だからその帰りに合流すれば、バイクにも乗ってないし、酒も飲ませられると。いくない?」

来週って、すぐよねぇ。

こんなにすぐに会えると思ってなかった!

「やーん、ありがとっ!お昼おごっちゃう♪」

上機嫌になった私は、顔がゆるみっぱなし。

自分でも呆れるくらい、単純だ。

「じゃ、そーいうことで!二人で頑張ってね。」

そう言うと、湊はおいしそうにアジフライを頬張った。

「・・・ちょっと待って、佐田さん。二人は無理よ。一緒に来てくれるよね?」

「二人のが、手っ取り早いと思うけど?」

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