忘れられない人
・・・最悪だ・・・。

「オマエまさか・・・勝手に教習所に申し込んだのか?」

これから凌との楽しいデート・・・のはずが、家の中は一気にクールダウン。

どころか、これから出してもらえるのかどうかすら、怪しい。

「ごめん!とりあえず今日は急ぐから、帰ってきてからたっぷり怒られます。お父さん、ごめんね!!」

「こら、咲妃!!待ちなさいっ!!!」

ここで立ち止まったら、出れなくなる・・・。

悪いとは思っていたが、強行突破で私は家を抜け出した。

走ってファミレスの駐車場に向かう。

途中一度振り返ったが、両親は追ってまでは来なかった。

「よぉ。どうした?走って・・・。」

またしても、凌はバイクのそばにしゃがみこんで、タバコを吸っていた。

「ちょっと、親にバレちゃって・・・。」

ヘルメットをかかげながら、凌に説明する。


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