忘れられない人
でも、前よりうるさくなったかも。

その旨を凌に伝えると、

「えぇーっ・・・うるさくなったって?それだけ?」

「だって、よくわかんないんだもん・・・。」

「たしかに、わかるわけないか。すまんすまん。」

信号待ちのときにしか話せないので、赤信号が来るたびに、シールドをあげて顔を近づける。

私がシールドをあげると、何か話したいと思ったのか、凌も私の方を向いてくれる。

「ほんっと、あちぃなー。」

でも、そう言う割りに、凌は汗ひとつかいていない。

私なんて、もうすでに暑くてほっぺが真っ赤になっているというのに、

凌の顔色は全然変わらない。

・・・私、ゆでダコ状態だよ・・・。

そんな自分がたまらなく恥ずかしい。
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