忘れられない人
「私、あしかとイルカのショーは絶対見たい!!」

意気揚々と言う私に、

「オッケ!じゃあ、時間だけチェックしとこう。」

凌は段取りよく動いてくれるので、私はついていくだけでよかった。

・・・やっぱり・・・と言っていいほど、

水族館はカップルと家族連れが多かった。

カップルは手をつないだり、腕を組んだりして、仲良く歩いている。

うちらは付き合ってないもんなぁ・・・。

私はさっきから、凌に触りたい願望が出始めていて、手がうずうずしていた。

「おい、中野?」

そこに追い討ちをかけるように”中野”と呼ばれた。

きっと凌にとっては、友達なんだろうなぁ。

みちるでも、私でも、一緒なんだろうなぁ・・・。
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