忘れられない人
あぁ、帰りたくない・・・。

家では両親が鬼のような形相で待っていることだろう。

わかっているからこそ、余計に、私の足止めをしていた。

凌にはそれもお見通しのようで、

「今日はだからこそ早く帰って、ちゃんと話し合わないとな。」

と、私の背中を送り出す。

「大丈夫だよ。ちゃんと話せばわかってくれるって。まぁ、元はといえば、中野が悪いんだけどね。」

ガーン・・・。

凌は更に私の頭の上に、重い石を投げつけてくれる。

「じゃ、検討を祈る!また水曜にな。」

そして凌は、私を置いて行ってしまった。

・・・さてさて。

私も家に入らないと・・・。
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