忘れられない人
「・・・お父さん、かなりショック受けてたわよ。咲妃が、勝手にそんなことをするなんて、思っていなかったみたいだから。」

「・・・教習所、行きたいって言ったじゃん。」

「反対されたでしょ。それを勝手に申し込んでくる子がどこにいるの!」

そうとう母も怒っているようで、口調からもそのことがひしひしと伝わってくる。

「今日もどこに行ってたの?ヘルメット持っていったけど、教習所に行く格好じゃないわよね?」

・・・母はちらっと目線を私に向けて言った。

「お父さんにはちゃんと、謝るよ。だからもういいでしょ!もう、お風呂入って寝るし。」

これ以上、母に根掘り葉掘り聞かれるのがイヤだったので、

急いで自分の部屋へと逃げ込んだ。


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