忘れられない人
そして、ついてないことは続くもので、

山手線に乗っている最中で、すっかり爆睡した私は、東京駅をゆうに過ぎ、浜松町に着いた時点で目が覚めた。

いつもだいたい手前で目が覚めるので、遅刻などしたことがなかったのに、

駅を追い越した時点で、時間ピッタリに会社に到着している私はアウト。

課長にも朝からみっちりしぼられた・・・。

「おはよ、咲妃。朝からついてないねぇ・・・。」

私も友美のように、早めに出社していれば、こんなこともなかったのに・・・。

とはいえ、一度ついた時間のリズムはなかなか変えられない。

「昨日、遅かったの?藤咲さんとデートしたんでしょ?!」

友美はメールでデートすることを聞いていた。

なので、凌とのデートの話が聞きたくてうずうずしていたのだ。
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