忘れられない人
しかし、家に帰ってみると、またしても父の姿はすでになく、

母に聞いてみると、もうすでに寝てしまったとのこと。

あきらかに私を避けてるようにしか思えなかった。

「・・・アンタも早く謝らないと・・・。お父さん、ずっと不機嫌なままなんだから。」

「わかってるよ。謝りたくても、お父さん、いないじゃない。」

私も素直になれずに、母にもキツイ口調で当たってしまう。

「もう、お母さんの立場にもなってよ。お父さん、私に文句言うんだから・・・。」

母がブツブツ小言を言い始めたので、

私はそそくさと自分の部屋に逃げ込んだ。

はぁぁ~。

こんな状態が毎日続くのかと思うと、しんどくてならない。

早めに謝らないと・・・と、気持ちばかり急くのだが、実際口には出てこない。
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