忘れられない人
「頑張らなくちゃなぁ・・・。久々のヒットなんだもん。」

「何がヒットだって?」

顔をあげると、凌と湊の姿があった。

「えっ・・・と。」

私は咄嗟の出来事に、しどろもどろしていた。

何でまた急に、

後ろにいるかなぁ。

すると、湊が話の間に割って入るように、

「すいませんねぇ、言い出しっぺのオレが遅刻して。仕事が終わんなくてさ、もうどうしようかと思ったよ。」

「いいよな、湊のおごりだし。」

「げーっ。マジっすか?オレ、新入社員で給料少ないのに。どっちかっていうと、藤咲先輩のがリッチなのに。」

「オレ、時間にちゃんと来たもん。」

「それを言われると痛いけどなぁ。んじゃまぁ、オレら『二人』のおごりってことで、飲むか!すいませーん、生ひとつ!!」

< 29 / 194 >

この作品をシェア

pagetop