忘れられない人
湊と合流したのが遅かったこともあり、あっという間に0時を回った。

「もうこんな時間。じゃ、そろそろお開きにしようか。」

楽しい時間はあっという間にすぎちゃうんだよね。

私はまた、いつ次に会えるかもわからないので、寂しさでいっぱいになった。

ついさっきまで笑ってたのに、お酒が入った分、感情の起伏も激しくなっていた。

「えーーー、もぅ?もう1軒行こうよぉ。」

「ちょっと咲妃。明日も仕事だよ?」

みちるに言われたが、帰りたくない私は、大丈夫だと突っぱねる。

「ほら、帰るぞ。今度は週末に飲みに行こうな。」

この間と同様、凌に頭をポンポンと叩かれ、私は反抗できずに、

「・・・ハイ。」

と、小さく答えた。

・・・今度?

また今度があるのかなぁ・・・。

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