忘れられない人
『ごめんごめん、返事遅くなりました。営業のため、ほとんど社内にいることはないので、今度からはこちらに連絡お願いします。』

そして、湊の携帯番号と、メアドが書かれていたので、私は早速携帯に登録した。

社内のメールだからか、湊からの返事はこれしか書かれていない。

私は、帰り支度をすると、家までの1時間ほどの通勤の間に、再度湊にメールを送った。

『昨日、藤咲さんからもらった名刺には、会社の連絡先しか書かれてないの。そこにメールしたら、まずいかな?咲妃』

すると、すぐに着信音が鳴り、メールが届いた。

『大丈夫だよ。アイツ、返事がすぐにこないけど、メールは返してくれるよ。』

『ありがとう。昨日のお礼、してみます。咲妃』

結局、昨日は凌と湊にご馳走になったので、今日中にお礼のメールがしたかったのだ。

私は、凌が何時まで仕事しているかはわからないが、そのまま電車の中で凌宛のメールを送った。

まだ、会社にいるかな。

返事すぐにくれるのかしら?

期待とドキドキでいっぱいになりながらも、私は凌からのメールを待った。

しかし、その日のうちに、凌からのメールはなかった。
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