忘れられない人
そうだ。

凌を誘ってくれた湊にお礼を言わないと。

多分、湊も気にしていてくれた・・・ってことよね?

でも、半年過ぎて・・・って、今更遅い気もするけれど、

こうして二人で会う約束ができたんだから、よかったんだよね。

私は友美に、今度の土曜、二人で会う約束をしたこと、携帯番号を教えてもらったこと、そして・・・お店に向かうまでの間、シャツの裾を掴ませてくれたことを話した。

「は〜ん・・・。なんかシャツの裾ってとこがいいね。普通なら、手とかつないじゃうとこじゃん?硬派な感じで、私には好印象(笑)。」

同じく。

それで私もドキドキしましたよーだ。

「土曜、楽しみだね。初デートじゃん♪思いっきりかわいくしていかないとね。」

「していきたいんだけど、バイクに乗るから、ジーンズで行くつもり。上も長袖でって言われてるし。」

「そういうとこも、やさしいね〜。咲妃の安全、気にしてるってとこがさ。」

「うん!」

その日一日、凌の話ばかりを友美にしていた。

友美もそれをニコニコしながら、聞いてくれていた。
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