忘れられない人
広場に着くと、青い芝生が広がる中、凌は何の気にもせず、その場にごろっと横になった。

えぇっ。

私はさすがに地べたに横になるのはなぁ・・・。

しかし、あまりにも気持ちよさそうに凌が寝そべっているので、

私も隣りに大の字になって寝っころがった。

土のにおいと、草のにおいが入り混じって、すがすがしい感じがした。

普段の私なら、服も髪も汚れるようなこんな格好は絶対にしなかった。

なのに、凌と一緒なら、何でもやってしまう自分があまりにも現金で笑えた。

「はぁ~。疲れたなぁ・・・。」

ぽそっと凌がつぶやいた。

「あ、ごめん。私何にもしないで。」

凌の言葉に、慌てて私は半分起き上がる。

「いや、そういう意味じゃなくて・・・。2人乗りで遠出なんて滅多にしないから・・・。友達と行っても、運転変われるからさ。」



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