忘れられない人
「・・・無理、かな?」

「無理・・・じゃなくて、危ないから、親だって反対するよ。バイクが乗りたいんなら、乗せるし、何も免許まで取らなくてもいいと思うよ。」

あまりにも真剣な顔で凌が言うので、

「はい・・・。」

と、その場はそう言うしかなかった。

けど、私はそのときにはもう、バイクの免許を取りに行こうという意志が固まっていた。

しばらく寝そべって話をしたあと、

「じゃあ、昼飯でも食べに行くか。」

と、凌が言い、森林公園をあとにした。

近くのファミレスに入り、ご飯を食べた後は、真っ直ぐに帰路に向かった。

私はもっと一緒にいたいと思ったが、

さっき凌が疲れたと言っていた手前、言い出せずにそのまま家まで送られて、バイバイした。

家に着いたら、濡れたタオルで顔を拭いてみな・・・と言われていたので、試してみると、真っ黒になった。

何でも排気ガスを浴びるので、服から出ている部分が黒くなるらしい・・・。

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