忘れられない人
きっとこのバーがなかったら、私、壊してたかも・・・。

そして、倒したバイクを起こそうとハンドルを手にするが、ビクともしない。

げ、まじで?!

そんな私を見ながら、一人の教官がバイクを起こしてくれながら、道路のはじっこへと私を誘導する。

私一人を残して、他の教習生は、簡単にバイクにまたがり、エンジンをかけ、ゆるやかなスピードで教官を先頭に走り始めた。

何で乗れるの?!

教習所って、乗れない人を乗れるようにしてくれるとこよね?

この説明だけで、走れるなんて・・・。

教官いわく、男の子は興味本位で一度はバイクをいじったことがある子が多いらしい・・・ので、私みたいに全く無知なのに、免許を取りにくる方がめずらしいのだとか。

1時間の間に、教官の後ろに乗って説明を受けたのにもかかわらず、

わからないことだらけで、私の頭の中はパンクしそうだった。

半クラッチ・・・って何?

ニーグリップって??


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