忘れられない人
みちるから思いもよらない言葉を返され、私は呆然となった。
「えっ・・・じゃあ、今日のこととか、どうやって連絡をとったの?」
「湊先輩よ。この間の同窓会で約束したものの、知らない間に藤咲先輩、消えててさ・・・。湊先輩と仲良しだし、湊先輩を通して日にちを合わせてもらったってわけ。」
みちるの話だと、藤咲さんは人づてに自分の連絡先が流れるのが嫌いらしい。
まぁ、そりゃあ普通そうだろうけど。
なので、今度会ったときに聞こうと思っていて、すっかり忘れて聞かないまま、別れてしまったのだ。
「ごめん〜。また湊先輩に頼んで四人で飲みに行く機会、作ってもらうからさぁ。」
正直、かなりがっくりしていたのだが、みちるを責めても仕方がない。
ちゃんと聞かなかった私が悪いんだもん。
はぁぁ・・・。
次っていつかなぁ。
「咲妃が自分で頼んでもいいけど。湊先輩と会社一緒だし。」
「・・・って言うけど、一回も見たことないんですけどっ。うち、本社だから人多いしね。探すの大変かも。なので、みちるにお願いするよ。」
「了解!早速メールしてみるね。」