愛ト羊ト君ノ世界。

昼休み。

廊下の水道でゆすいだ髪の毛はまだ程良くしめっていた。


教室でお弁当をひらく。

なぜか前には佐々木が、向かい合って座っていた。

僕は友達が少ない・・・でも佐々木は結構友達も多いはず。

「おい、佐々木は他のやつと食べるんだろ。」

「あんぱんうまー。」

・・僕に気をつかっているのだろうか。

まあ、あんまり気にしないことにしよう。

どっちにしろ一人より二人で食べたほうがいい、と思うし。

佐々木はあんぱんをもぐもぐしながら言った。

「あのさ、小野とその綾瀬先輩ってどういう接点なわけ?」

「え・・・あぁ、委員会で一緒だった。で、一目ぼれ。」

「あれ、お前って委員会やってたっけ。」

「いまはやってない。1年生のときにやってた。」

「じゃあ1年間くらい、ずっと片思いだったのか。」

そう。と僕はいう。


そして佐々木が「小野、後ろに、」

って、え?

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