太陽キャンディ
すると、あんパンをやっと食べ終わった高瀬が言った。
「平塚先輩、遠慮しないで言ってやってくださいよ。ほら、ほら」
「えぇ……、だって……なあ?」
平塚先輩が高瀬に向かって何か言う。
その様子を見ながら、大体想像はつくものだ。
……バカにされるに違いない、と。
これは想像ではなく、もう確信に近い。
「……なんですか、なんなんですか」
でも一応聞いておく。
するとあからさまにニヤニヤした二人がパッとこっちを向いて。
「では先輩の代わりに、俺が言ってあげますよ」
高瀬は自身の胸をトンと叩き、自信満々にこう告げる。
「人間ドック待ちのリーマンの顔」
「「……んっ?」」
平塚先輩と、素っ頓狂な声が重なる。