太陽キャンディ






そして二人でグラウンドへ向かって歩き出した。




斜め後ろからの足音。
黒い靴が、ちらちらと視界に入るのが気になった。






ベンチに近付くに連れ、みんなの視線がこちらに向けられる。




「南おせ……、って誰?」






そう言いながら帽子をキュッと被る高瀬。


誰? ってのはきっと俺の後ろにいる……








「……よう、朋史」

「おう、久しぶり」




まるで懐かしむように、平塚先輩は彼の言葉に微笑んでそう答えた。








「……誰?」




みんなが二人の様子を見ながらそう言って、しばらくの沈黙が続く。
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