太陽キャンディ






「紹介しよう」




説明口調で話し始め、ゆっくり彼に近付いて。








「コイツは俺の親友の陽太」

「……はあっ!?」




彼の肩に腕を回し、自分の方に引き寄せて親友宣言。


それに、彼は平塚先輩をまじまじと見つめ、離れようとしない平塚先輩の腹を容赦なく押す。






「テメェ何言ってんだよバカ!」

「いいだろーが別に、本当のことなんだし。そう怒んなって」








ギャーギャー言っている二人を眺めながら、他のみんなは俺に質問を投げかけてくる。




「南っ、誰だよアイツっ!」

「えーっと……?」

「平塚先輩を呼び捨てとか」

「……うーん」


しどろもどろに返事をしていると、平塚先輩がまた話し出した。






「そんで元、参堂高校のピッチャーな。河井の言ってた転校生は陽太のこと、ほら、どう見たって殿方だろ?」






彼の頬を指でつつきながらそう言って、その瞬間みんなは納得した。


『だから男だと言っていたのか』、と。
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