太陽キャンディ
それくらい評価され、それくらい野球で有名な高校から。
甲子園シーズンになるといつだって注目を受ける参堂高校から。
(しかもそこの野球部、そしてまさかのピッチャー……)
あの強豪チームのマウンドの主が、こんなところに。
「……なんでそんなところから? しかも君ピッチャーだろ?」
高瀬の目が正常に戻ったところで、河井が口を開いた。
そのセリフに、再び彼に視線が注がれる。
「なんで、って言われても」
彼は、耳に着いているピアスを指先でいじりながら苦笑。
その様子を彼の隣で見ながら、平塚先輩がニッと笑う。
「まっ、コイツ野球部はいっから俺の親友としていっちょ頼むわ。仲良くしてくれよ、な、キャッチャー」
ぐっと、平塚先輩の顔が俺に近付く。
「…………っ」
チラッとオレンジ色の彼を見ると、呆れたようにため息を付いていた。