太陽キャンディ
握らされた退部届を、開けようとするが止めておく。
まだ、間に合うかもしれない。
そんな淡い期待が、全身を駆け巡ったのは、言うまでもないけれど。
「なるっ……」
こんなあっさり、仲間を切り捨ててしまうのか。
そう考えると、案外ショックなもので。
成海には成海の考えがあって、
成海の生き方があって、人生があって。
それを俺が決めることは、権利としては成り立っていないわけで。
でも、なんで退部するのかって言う理由は、相方として教えてほしかった、というかなんというか。
とにかく、複雑な心境に駆られる。