soft-rainy

「夕日綺麗だね」会話はそれだけだったけど私は満たされていた。それから自然に会わなくなったけど、お互い夢を叶えてお互いに幸せになる事を私は密かに願った。
冬が来て
今年は雪が降らなかったんだけど…私には少し降った…雪はあなたの言葉・思い…少しずつ降り積もっていく…それを私が一つ一つ拾い集めて溶かすから雪はやがてやさしい雨に変わるから花が咲く頃には…あの絵も色あせて、私と時雨との思い出も良い風に色あせる…もし、またどこかで逢ったら…一つだけ聞きたい事があるの…
「願い事、叶った？」
あの頃、私は逆さに見ていた地図を破り捨てようとしていたのを時雨は正しい方角を私に教えてくれたのかもしれないね…そして今を歩む事を私に気づかせた。広く澄み渡った青空に浮かぶ雲を見上げていたらそう思った。