好きでごめん(×□×)!
<序章>あの冬・・
「うう、寒っ~~」
まだ辺りが明るくなって間もないころ。
テニス部の朝練に向かうために、あたしは急勾配の上り坂を走った。
眠たい空から送られる光が、薄く凍ったサザンカをめんどくさそうに照らしていた。
吐く息は白く、目の前もうっすら白くにごっていた。
あまりの寒さにあたしは「寒っ」を連発しながら、首にマフラーを押しつけた。
ほとんど部活の用意しか入っていないスポーツバックを肩にかけながら
足早に駆け上がる石造りの長い階段。
寒さに、むきだしになったヒザ小僧を笑わせる。
だけどそんなこと、気にしてる場合じゃない。
早く行かなきゃ。
・・・・遅刻しちゃう。
その時。
どっ・・・・!