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『半年』
私は家に帰っていない。
もちろん、流の家にも。
それは流の家は私の家の隣にあるから、流の家に遊びに行くとなると、必然的に家に帰ることになる。
それがわかっているから、流の家には行けなかった。
「俺もいるから、大丈夫だよ」
私の心情を読んだのか、流が優しい声で言った。
「ありがと」
私ははしを止め、家のことを思い出した。
………お父さんが、去年の夏、再婚した。
どうやらいい年こいて、できちゃった婚らしい。
お母さんが逝ってからもう随分経ったから、寂しかったのかもしれない。
私は笑顔で了承した。