名残の雪
名残の雪
春。新学期。
高校2年生、特別な響きも感じられない真ん中の学年。
1年生よりは上級生だけれど、3年生よりは下級生。
当たり前か…。
心の中で、さもくだらなさそうに呟く。重たく吐き出された白い息は、空気中にすーっと解け込んでいった。
コートを羽織り、ブーツを履いて、首元にはマフラー。
4月だというのに散らつく雪。
これを名残雪というのか、誰かが空に春だと教えてあげなきゃ、いつまでも降り続くんじゃないだろうか。
昼間はポカポカと暖かいのに、落ちてくる雪は頬に当たり冷たさを感じる。
この温度差にうんざりする春。