名残の雪
黒板に書かれた担任の文字。
学級委員
久保修平
早川雅美
「また久保と学級委員!?ウケんだけど!あんたたち縁があるんじゃない?この際だから付き合っちゃえばいいのにー」
明るく言い放つ知恵は、やっぱり声が大きくて。
話題になった“アイツ”がいないかと、わたしは思わず辺りを見回した。
いないことを確認して、ホッと一息ついた。
「案外お似合いかもね~」
なんて、ジョーダンじゃない。
別れた彼氏の弟なんて、付き合えるわけがないし。
…それに。
アイツがわたしと付き合えるわけがない。好かれてるとも思わないっていうのに。
好かれてるどころか、嫌われているっていうのに。
わたしもそれは同じで、なんだってこんなに相性悪い2人が付き合わなきゃいけないのだ。